6月25日は世界初の衛星中継テレビ番組が放送された日

皆さんの娯楽の1つとして当たり前になっている「テレビ番組」ですが、今日6月25日は、世界初といわれる「テレビ番組」が登場した日です。
6月25日は世界初の衛星中継テレビ番組放送日
1967年6月25日は、世界で初めて衛星中継を使ったテレビ番組が放送された日です。31地点を4個の衛星で結び、日本だけでなく、5大陸・14か国の放送局が参加し、世界24か国で放送されました。衛星の数、参加局数、放送地域の数を聞いただけでもとても大規模だったことが分かります。
放送された時刻は、協定世界時(UTC)で午後18時55分~21時ごろで、日本では、翌日の6月26日の午前3時55分~6時頃に放送されたようです。
6月25日といっても日本では6月26日が放送日だったんですね。ちなみに日本では、「日本放送協会(NHK)」が参加したようです。
テレビ番組のしくみ
衛星中継の話をする前に、皆さんがよく見るテレビ番組について少しお話します。テレビ番組には、以下の2種類の中継方法があります。
- 地上波中継のテレビ番組
- 衛星中継のテレビ番組
地上波中継のテレビ番組
普段私たちが見ている「テレビ朝日」や「日本テレビ」などは、放送局がテレビ番組を作り、それを電波を利用して、中継地点にデータを送っています。その中継地点に送られたデータを私たちの家庭へと送っているのが、私たちが普段見ているテレビ番組です。
地上で使う電波を利用している放送のため、「地上デジタル放送」と呼ばれています。2011年以前からよく聞くようになった「地デジ」と呼ばれるものですね。「地上デジタル放送」によるテレビ番組は、各地域に設置された「中継所」というところを通らなければ、家庭で見ることができません。
衛星中継のテレビ番組
衛星中継のテレビ番組は、まず、テレビ番組を放送局が作成します。ここまでは、地上波で見るテレビ番組と同じですが、そのあとの家庭へのデータの届け方が異なってきます。
衛星中継テレビ番組では、電波を使ってデータを人工衛星に送り、人工衛星から直接家庭へと電波を届けます。地上波では、「中継所」というところを通らなければ家庭で見ることはできませんでしたが、衛星中継では、「中継所」と呼ばれるものはなく、人工衛星から直接家庭へとデータが送られます。
これにより、中継所が近くになくてテレビを見ることができない人たちでも、衛星中継のテレビ番組を見ることができるようになりました。
地上だけでなく、宇宙にある人工衛星までを使って電波を届けているなんて驚きですよね。そして、その技術を初めて使って放送されたテレビ番組が「OUR WORLD 〜われらの世界〜」という番組です。
衛星中継テレビ番組「われらの世界」
世界初の衛星中継テレビ番組である「われらの世界」ですが、以下の6つのテーマで構成されていました。
- 赤ちゃん誕生
- 世界この瞬間
- 過密世界
- 健全な肉体を求めて
- 芸術の追求
- 宇宙のかなたへ
内容は下記のようになっていたようです。
赤ちゃん誕生
北海道大学病院での新生児の出産の様子や、デンマーク、メキシコ、カナダでの出産の様子を取り上げていました。
世界この瞬間
世界の「今」を中継するというテーマで、オーストラリアの製鉄所、パリの眺め、スペインの漁港、カナダの牧場、東京の地下鉄工事現場などが中継されたようです。
過密世界
ニューヨークの食糧問題研究所や、高松の海老養殖所、モントリオール万国博覧会などが取り上げられました。
健全な肉体を求めて
バタフライ世界記録を取ったエレイン・タナーさん、イタリアの障害馬術選手、スウェーデンのカヌー選手などの様子を取り上げて放送したようです。
芸術の追求
ロミオとジュリエットの映画の撮影の様子や、メキシコの音楽番組衆力の様子、ビートルズのレコーディングの様子などが取り上げられました。
宇宙のかなたへ
ケープ・ケネディ基地の様子と、オーストラリアのパーク天文台の巨大電波望遠鏡を取り上げました。
この内容を世界の24か国でほぼ同じときに見ることができたんですね。
まとめ
衛星中継を用いたテレビ番組は多くあります。「BS放送」「CS放送」は、すべて衛星中継を用いていますね。有料で見ることのできる衛生放送です。
今では当たり前になっていることでも、こうして初めての時代があったのですね。
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