4月22日はAPS(アドバンストフォトシステム)が発売された日

インスタグラムやTwitter、FacebookといったSNSで、気軽に自分の撮った写真がアップロードできる時代になり、写真を撮るのが趣味と言う人も多くなってきています。
今回は、今はあまり聞くことが無くなってきた、カメラの「フィルム」についての話です。
昔のカメラ
今はスマホやデジカメで撮った写真を、その場ですぐに確認することができますよね。
しかし一昔前までは、写真をフィルムと呼ばれるものに一旦記録し、その後現像し写真用紙に印画をしてからでないと、どんな写真が撮れたのか確認することが出来なかったのです。
写真を一旦記録する為に用いられていたのが、今回紹介するAPSフィルムです。
APSとは
アドバンストフォトシステムのことで、富士フィルム、イーストマンコダック、キャノン、ミノルタ、ニコンによって共同開発され、1996年4月に販売が開始された写真システムのことです。
撮影時の設定や日付、時間、プリントサイズなどをフィルムの磁気面に記録し、プリント時に利用できました。
この規格の長所としては、35mmフィルムに比べて小型であるため、カメラ自体も小型化できることでした。また、フィルムの装着が簡単にできたり、フィルムカートリッジが使用か、未使用か、現像済みなのか判断できるようになっていました。
APSがわずか16年で終焉を迎えた理由
当時新規格だったAPSフィルムですが、2012年3月に終焉を迎えました。
それまでのカメラでは難しかったことが簡単になったのに、たった16年で姿を消すことになったのです。
35mmフィルムの優位性や、同時期に普及したデジタルカメラの性能向上により、APSフィルムは普及しなかったといわれています。また、現像料金も35mmフィルムに比べて高価であったのも原因の一つになったようです。
APSフィルムの思い出
APSが力を発揮したのは16年と言う短い間でしたが、今思い返してみると我が家にもAPSフィルムがありました。
父がカメラ好きでよく写真を撮ってくれました。写真屋さんにフィルムを渡すと1~2週間待って、写真がプリントされるのを楽しみに待っていました。
APSフィルムの特徴の一つであるインデックスプリント(中身を全て縮小し1枚の印画紙にやきつけたもの)を見ながら、思い出にふけっていたのを今でも覚えています。
フィルムの保存は容易ではなく、カビが生えると、そのフィルムは使い物にならなくなってしまいます。父はカビの防止のために、湿度や温度が調整できる、カメラ保存用のドライボックスを使用していました。小さい頃はよくわからなかったのですが、父は思い出そのものと、思い出を撮影するためのカメラやフィルムを守っていたんですね。
APSフィルムをデータ化できる
今はもう見なくなったAPSフィルムですが、昔撮ったAPSフィルムがあれば、なんとデータ化する事が出来ます。
印画紙にプリントしてもらうのではなく、パソコンや携帯で見られるように出来るのです。
せっかく撮ってもらった楽しい思い出が、カビのせいで写真として残せなくなるのは時間の問題です。そうならないために、思い出をデータにしておくのはいいことだと思います。
データ化する方法は、ASPフィルムをデジタル化してくれる業者に依頼するのが一般的です。DVDに保存してくれるため、いつでも見られるようになります。フィルム1本(40枚撮り)で350円という手ごろな料金でデータ化してくれる業者もあります。
APSシステムは今の時代に生きる
APSフィルムは使われなくなってしまいましたが、キャノンやニコンといったメーカーでは、このAPSシステムを使って今もデジタルカメラが作られています。フィルムという時代を経たからこそ、今のカメラ業界が賑わっているのかもしれません。
最近では、あえて35mmフィルムで写真を撮るという人もいるそうです。味の出るフィルムカメラ、私も一度使ってみたいですね。
あなたにオススメの記事